チベット仏教普及協会
《ポタラ・カレッジ》
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集中講座:中観密意解明の概要
『中観密意解明』は、チャンドラキールティがお書きになった『入中論』根本頌、及び『入中論自註』に対する、ツォンカパ大師の註釈書です。その第六章は、中観帰謬論証派に基づく空性の見解を理解する上で非常に重要です。しかし、テキスト全体では、菩薩十地に関連づけて十波羅蜜が述べられており、菩薩の初地から果たる仏地に至るまでの大乗の聖者の段階が説かれています。福徳と智慧という大乗仏教全体のテーマが扱われており、第六章以外の章にも、大乗仏教を学ぶ者にとって重要な内容が多く含まれています。
今回から始まる一連の集中講座では、ツォンカパ大師の『中観密意解明』を冒頭からわかりやすく解説していきます。
第一回めの今回は、序論から第五章までを解説します。その概要は以下の通りです。序論では、まず礼賛が述べられます。仏菩薩への礼賛ではなく、最初に悲に礼賛することの理由を説いています。これに関連して、菩薩の三つの因や三種類の悲などが論じられます。
続く第一章から第五章までは、それぞれ、十地の初地から第五地と、十波羅蜜の布施・持戒・忍辱・精進・禅定波羅蜜に該当します。これらの五つの波羅蜜のうち、布施・持戒・忍辱は福徳の資糧の、精進は福徳・智慧の資糧の、禅定は智慧の資糧の因になると、第三章で述べられています。各章では、それぞれの地の名称の語源、地の功徳、その地で殊勝となる波羅蜜の分類や特徴などが説明されます。加えて第一章の前半では、菩薩十地の説明に関連して、「菩薩」という語の意味、菩薩の有する功徳、声聞・独覚にも法無我の了解があることなどが論じられています。特に、声聞・独覚にも法無我の了解があると認める点は、中観帰謬論証派の特色であり、ツォンカパ大師は経典や論書を引用しつつ『入中論自註』よりも詳しく哲学的な議論を展開しています。
初地から第五地へ進んだ菩薩が、次の第六地で般若波羅蜜に住することにより、本格的に滅を得ることになるので、今回扱う箇所は、次回以降の第六章へつながる重要な部分です。チベット仏教を深く知りたいと思う皆さんの参加をお待ちしております。
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